AudiostockとEnvatoの違いを比較│制限のかかり方が真逆
AudiostockとEnvatoはどちらも定額制で、契約している間は音源が使い放題になります。ただし2つのサービスは、素材の使い過ぎを止めるブレーキの位置がまったく違います。
Audiostockは入口を絞ります。1日にダウンロードできる点数を100点までに決めていて、契約プランによっては誰の動画に使えるかまで指定されます。反対にEnvatoは入口を開放していて、ダウンロード自体は無制限です。そのかわり出口を数えます。ダウンロード1回が制作物1本分のライセンスになる仕組みで、案件が変わればライセンスを取り直します。
「ロイヤリティフリー」とは、素材を使うたびに使用料を払わなくてよい契約のことです。無料という意味ではなく、月額を払っている間は追加課金なしで使えるという意味になります。
Audiostockの特徴は音源に特化したサービス設計
Audiostockは国内の音源サイトで、扱っているのはBGM(楽曲)と効果音だけです。楽曲が約49万曲、効果音が約49.5万音あり、音源だけで約98万点を超えます。サイトも管理画面も日本語なので、企業の広報担当が社内で共有するときにも説明の手間がかかりません。
料金プランは3種類あり、個人のYouTuberやVTuberであれば月858円の動画配信者プランが最安の入口です。受託で映像を作る人はスタンダードプラン、複数人で使う企業はエンタープライズプランを選びます。
Envato Elementsの特徴は映像テンプレートまで揃う総合素材
Envato Elementsは海外の総合素材サイトです。音源は楽曲が約34万曲、効果音が約94万音あり、効果音の点数では国内のどのサービスよりも多い水準です。さらに写真・動画素材・映像テンプレート・フォントまで同じ契約に含まれます。
Premiere ProやAfter Effectsのテンプレートを毎回探している映像編集者にとっては、素材サイトを何本も契約しなくてよくなる点が大きな利点です。ただしサイトの表示は英語が中心で、日本語には対応していません。
国内の音源サブスクなら
AudiostockとEnvatoの料金プランを比較!個人向けはどっちが安い?
金額だけを並べると差ははっきりしています。Audiostockの最安が月858円、Envatoの最安が約2,475円で、約2.9倍の開きがあります。ただし使える素材の範囲が違うので、金額だけを見て決めると損をする場合があります。
Audiostockの料金プランは3種類
Audiostockは使う人数と用途でプランが分かれます。
Audiostockの料金プラン
| プラン |
月額 |
使える範囲 |
| 動画配信者プラン |
858円 |
契約者本人の動画のみ |
| スタンダードプラン |
2,365円 |
1人・受託制作や納品も可 |
| エンタープライズプラン |
24,200円〜 |
15人まで・企業や代理店向け |
※いずれも年間一括払いにしたときの1か月あたりの金額です。スタンダードプランを毎月払いにすると2,970円になります。
最安の動画配信者プランは契約者本人の動画にしか使えず、他人の動画には使えません。自分のチャンネルにBGMを足したい配信者向けの入口で、クライアントワークには向きません。受託で映像を作る人はスタンダードプランが実質の下限になります。
EnvatoのCoreとPlusとUltimateの料金
Envatoは使う人数ではなく、AI生成の回数でプランが分かれます。
Envato Elementsの料金プラン
| プラン |
月額(円換算) |
AI生成の回数 |
| Core |
16.5ドル(約2,475円) |
月10回 |
| Plus |
39ドル(約5,850円) |
月100回 |
| Ultimate |
109ドル(約16,350円) |
無制限 |
※1USD=150円で計算した概算です。実際の請求は為替で変動します。企業向けにはカスタム見積もりのEnterpriseもあります。
素材のダウンロード自体はCoreの時点で無制限です。上位プランで増えるのはAI生成の回数なので、AIを使わない人はCoreのままで問題ありません。ドル建てのため、円安が進むと請求額が上がる点は覚えておく必要があります。
素材のジャンル数で割るとコスパが逆転する重要度:★★★★★
月額をそのまま比べるのではなく、契約1本で何ジャンルの素材が手に入るかで割ると見え方が変わります。
Audiostockが扱うのは音源の1ジャンルだけなので、858円がそのまま音源1ジャンルの値段です。Envatoは音源・写真・動画素材・映像テンプレートの4ジャンルが含まれるため、約2,475円を4で割ると1ジャンルあたり約619円になります。
つまり音源しか使わないならAudiostockが約3分の1の負担で済みます。逆に写真とテンプレートも別のサイトで契約している映像編集者なら、Envatoにまとめたほうが合計は安くなります。素材サイトを2本以上契約している人ほど、Envatoの1本化が効いてきます。
年額に直すと差はさらに見えやすくなります。Audiostockの動画配信者プランは年10,296円、EnvatoのCoreは年約29,700円で、差額は約19,400円です。この差額は写真素材のサイト1本分の年間費用にほぼ相当します。音源以外の素材を別サイトで契約している人は合計額で比べ直す価値があります。
判断の目安
音源以外の素材に月1,600円以上を払っているなら、Envatoにまとめたほうが安くなる計算です。
映像素材までまとめるなら
AudiostockとEnvatoの音源数と素材の幅を比較
点数の勝負は項目によって逆転します。楽曲はAudiostock、効果音はEnvatoが多いという構図です。
BGMと効果音の点数はジャンルごとに勝ち負けが分かれる
音源の点数の比較
| 項目 |
Audiostock |
Envato |
| 楽曲(BGM) |
約49万曲 |
約34万曲 |
| 効果音(SFX) |
約49.5万音 |
約94万音 |
※2026年8月時点の公表値です。
BGMを軸に動画を作るVlog系のYouTuberなら、楽曲数で約1.4倍あるAudiostockのほうが選択肢が広くなります。反対にゲーム実況やショート動画のように効果音を大量に差し込む制作スタイルなら、約94万音あるEnvatoが有利です。
Envatoの効果音はGaming・Transitions・Interfaceといったカテゴリで整理されていて、riserやwhooshのような英語のタグから探します。検索キーワードは英語で入れる必要があります。慣れるまでは目的の音にたどり着きにくい面があります。
映像テンプレートや写真まで使えるのはEnvatoだけ
Audiostockは音源のみで、写真や映像テンプレートは扱っていません。動画のサムネイル用の写真やオープニングのテンプレートは、別のサイトで用意することになります。
Envatoは1契約で写真・動画素材・映像テンプレート・フォントまでダウンロードできます。SNS動画クリエイターがショート動画のテンプレートを差し替えながら量産する使い方や、企業の広報担当が資料と動画の素材を1本の契約でまかなう使い方に向いています。
楽曲の方向性と目当ての音を探す方法の違い
点数と同じくらい効いてくるのが、目当ての音にどれだけ早くたどり着けるかです。
Audiostockは国内のクリエイターが投稿した楽曲が中心で、日本語のキーワードとカテゴリで絞り込めます。「和風」「企業VP」「感動」のような日本語の感覚でそのまま検索できるため、企業の広報担当が社内で候補を共有するときも説明が通りやすくなります。
Envatoは海外のクリエイターが投稿した楽曲が中心で、検索も英語のタグで行います。海外向けの映像や洋楽寄りの雰囲気を狙うなら選択肢が豊富ですが、日本語の語感で探す前提だと最初は戸惑うはずです。目当ての方向性が決まっている人ほど、この探し方の差が作業時間に響いてきます。
AI生成が使えるのはEnvatoのみ
EnvatoにはAIで画像や効果音を生成する機能があり、Coreで月10回、Plusで月100回まで使えます。手持ちの素材で足りない場面を埋める補助として使う機能です。
Audiostockには同等のAI生成機能はありません。ただし約98万点の音源から探す前提のサービスなので、生成に頼る場面自体が少ないという見方もできます。
BGMの選択肢を広げるなら
AudiostockとEnvatoのライセンスと商用利用を比較
商用利用はどちらのサービスでも可能です。差が出るのは「何を1単位として数えるか」で、ここが記事全体でいちばん実務に効く違いになります。
Audiostockは1日100点までのダウンロード制限がある重要度:★★★★☆
Audiostockは不正利用を防ぐため、ダウンロードを1日100点までに制限しています。動画1本に使う音源が数点であれば十分な枠ですが、後で使うかもしれない音源をまとめて集めておく使い方には向きません。
1日100点は素材のストックを作る上限として意識しておく必要があります。エンタープライズプランのみダウンロードが無制限になります。
Envatoはダウンロード1回が1つの制作物のライセンスになる重要度:★★★★★
Envatoはダウンロード回数に制限がないかわりに、ダウンロード1回が制作物1本に対する1ライセンスとして扱われます。ダウンロードのたびにライセンス証明書が発行される仕組みです。
ここで誤解しやすいのが、同じ素材を別の案件で使うときの扱いです。同じBGMでも案件が変われば新しいライセンスを発行します。ただしファイルを再ダウンロードする必要はなく、ダウンロード履歴やアイテムのページから新しい案件名でライセンスを発行するだけで済みます。
ライセンスの発行を忘れたまま別の案件に使い回すと、契約していても権利の裏付けがない状態になります。案件ごとに証明書を発行する手順を作業の流れに組み込んでおくと安全です。
受託制作やクライアント納品で使えるか
映像編集者にとって重要なのが、クライアントに納品する映像で使えるかどうかです。
Audiostockは最安の動画配信者プランでは受託制作に使えません。他人の動画に使うにはスタンダードプラン以上が必要で、実質2,365円が受託の入口になります。複数人のチームで使う場合は人数分の契約か、エンタープライズプランを選びます。
Envatoは制作物ごとにライセンス証明書が発行されるため、納品時に権利の裏付けを1本ずつ示せます。案件が増えても発行を繰り返すだけで、契約の本数を増やす必要はありません。制作本数が多い映像編集者にはこの仕組みが向いています。
企業として複数人で使う場合も考え方は変わります。Audiostockは15人まで月24,200円のエンタープライズプランでまとめられ、ダウンロードの制限も無制限になります。Envatoはチームプランで人数を追加していく形です。どちらを選ぶかは、社内で必要な素材が音源だけかどうかで判断すると迷いにくくなります。
解約したあとに使い続けられる範囲
解約後の扱いは似ているようで条件が違います。
解約後も使える範囲
- Audiostock:契約中に実際に使った音源は解約後も再度使える
- Envato:契約中に完成して公開した制作物はそのままカバーされ続ける
解約後は使えない範囲
- Audiostock:ダウンロードしただけで使っていない音源は使えない
- Envato:解約後に作り始める新しい制作物には使えない
Audiostockは音源1点ごとに使用実績で判定し、Envatoは制作物1本ごとに完成時期で判定します。Envatoはファイルが手元に残っていても、解約後に新しく作る動画には使えません。長期の連載動画を続ける配信者は、契約を切るタイミングに注意が必要です。
案件ごとに権利を残すなら
AudiostockとEnvatoを比較する前に知りたい注意点
料金と点数だけを見ていると、契約してから気づく差があります。とくに日本語対応、YouTubeでの扱い、無料で試せるかどうかの3点は事前に確認しておきたい項目です。
日本語サポートと支払い方法の違い
Audiostockは日本語のサイトで、サポートも日本語で受けられます。支払いはクレジットカードに加えて請求書払いにも対応しているため、企業の広報担当が経理を通すときに手間がかかりません。
Envatoは英語のサイトで、支払いはクレジットカード・PayPal・Apple Payです。請求書払いには対応していないため、法人の経費処理で確認が必要になる場合があります。
登録して使い始めるまでの流れと支払い方法
どちらも公式サイトからメールアドレスを登録してプランを選ぶだけで使い始められます。違いは支払い条件で、Audiostockの安いプランは年間一括払いが前提です。1か月だけ試して解約するという使い方はできません。
Envatoは月払いでも契約できるため、繁忙期だけ契約して閑散期に止めるという使い方ができます。制作の波が大きいSNS動画クリエイターには柔軟に見えるはずです。
YouTubeの収益化と著作権の申し立て重要度:★★★★★
YouTubeで収益化する場合、Audiostockは多くの楽曲をContent IDに登録していて、対象の曲は「YouTube安心利用曲」として表示されます。ただし全曲が対象ではありません。
さらに見落としやすい制約があります。楽曲のプロモーション映像やBGMチャンネルのように、音楽そのものが主役の動画には利用できません。作業用BGMのまとめ動画を作ろうとしている人は、この条件で判断が変わります。
Envatoの効果音はメロディで照合されにくいため、申し立て自体が起きにくい傾向です。万一の申し立てにはダウンロード時のライセンス証明書で異議を出せます。
無料で試せるのはAudiostockだけ
Audiostockのスタンダードプランには30日間の無料トライアルがあり、期間中に解約すれば料金はかかりません。実際に検索して目当てのBGMが見つかるかを確かめてから決められます。
Envatoには無料トライアルがありません。契約前に確認できるのは検索と試聴までなので、まずAudiostockの無料期間で音源の探しやすさを比べるのが安全な進め方です。
30日間無料トライアルあり
AudiostockとEnvatoはどっちがおすすめ?タイプ別の比較結論
2社は優劣を競う関係というより、住み分けの関係です。音源だけで足りるのか、映像素材までまとめたいのかで答えが変わります。
Audiostockを選ぶメリットと向いている人重要度:★★★★☆
Audiostockが向いている人
- 自分のチャンネルにBGMを足したい個人のYouTuber・VTuber
- 日本語のサポートと請求書払いが必要な企業の広報・マーケ担当
- 契約前に無料で使い勝手を試したい人
- 楽曲の選択肢の多さを重視するVlog系の配信者
月858円という金額は音源サブスクの中でも最安の水準です。注意点は動画配信者プランが本人の動画専用であることと、1日100点のダウンロード制限があることの2つです。
Envatoを選ぶメリットと向いている人重要度:★★★★☆
Envatoが向いている人
- 音源と映像テンプレートを1本の契約でまとめたい映像編集者
- 効果音を大量に使うゲーム実況者・ショート動画のクリエイター
- 案件ごとにライセンス証明書を残したい受託の制作者
- 写真素材のサイトを別途契約している人
素材サイトを複数契約している人ほど、1本化したときの削減幅が大きくなります。注意点は英語のサイトであることと、無料トライアルがないこと、そして為替で請求額が動くことです。
迷ったときの結論
動画に足すのが音だけならAudiostock、映像テンプレートや写真も毎回探しているならEnvatoを選びます。判断がつかないときは、無料トライアルのあるAudiostockから試すと失敗しにくくなります。
他社も含めて迷うときの考え方
映像テンプレートを主役に考えるなら、Motion Arrayのように動画編集の拡張機能まで含むサービスも候補に入ります。ただし音源の点数はAudiostockやEnvatoに届かないため、音を重視するなら今回の2社から選ぶほうが満足度は高くなります。
音源だけで足りるなら
AudiostockとEnvatoの比較でよくある質問
AudiostockとEnvatoは併用できますか?
併用できます。楽曲はAudiostock、効果音と映像テンプレートはEnvatoという分け方をしている映像編集者もいます。合計は月3,333円ほどになるため、両方の素材を毎月使う人向けの選び方です。
Envatoに無料トライアルはありますか?
ありません。契約前にできるのは素材の検索と試聴までです。無料で使い勝手を確かめたい場合は、30日間の無料トライアルがあるAudiostockのスタンダードプランを先に試す方法があります。
Audiostockの1日100点というダウンロード制限は足りますか?
動画1本あたり数点しか使わない制作スタイルなら十分な枠です。足りなくなるのは、後で使うかもしれない音源をまとめて集めておく使い方をする場合です。制限をなくすにはエンタープライズプランが必要になります。
Envatoで同じBGMを別の動画に使うときは、もう一度ダウンロードが必要ですか?
再ダウンロードは不要です。ダウンロード履歴やアイテムのページから、新しい案件名でライセンスを発行し直せば使えます。制作物1本につき1ライセンスという数え方なので、発行の操作だけを忘れないようにします。
解約したあと、公開済みの動画はそのまま残しておけますか?
どちらのサービスも、契約中に公開した動画はそのまま残せます。違いは解約後の新規制作で、Envatoは解約後に作り始める制作物には使えません。Audiostockは契約中に実際に使った音源であれば、解約後も再度使えます。
支払い方法は何が使えますか?
Audiostockはクレジットカードと請求書払いに対応しています。Envatoはクレジットカード・PayPal・Apple Payで、請求書払いには対応していません。法人で経費処理をする場合は事前の確認が必要です。
法人やチームで使う場合はどちらが安くなりますか?
人数によって変わります。Audiostockは15人まで月24,200円のエンタープライズプランがあり、日本語の請求書払いにも対応します。Envatoはチームプランやカスタム見積もりのEnterpriseがあり、映像素材までまとめて必要な組織であれば合計が抑えられます。
AudiostockとEnvatoの比較まとめ
AudiostockとEnvatoはどちらも定額で使い放題ですが、制限のかかる場所が正反対でした。Audiostockはダウンロードの回数と使える人を絞るかわりに月858円から始められ、楽曲数と日本語サポートで優位に立ちます。Envatoはダウンロードを無制限にするかわりに制作物1本ごとにライセンスを数え、効果音の点数と映像テンプレートの幅で優位に立ちます。
選ぶ基準は、動画に足すのが音だけかどうかです。音源だけで足りるならAudiostockが約3分の1の負担で済み、写真や映像テンプレートも毎回探しているならEnvatoにまとめたほうが合計は下がります。
判断がつかないときは、30日間の無料トライアルがあるAudiostockから試す方法があります。実際に目当てのBGMや効果音が見つかるかを確かめてから、素材の幅が必要かどうかを判断すると失敗しにくくなります。
AudiostockとEnvatoの比較表
※2026年8月時点の情報です。Audiostockの月額は年間一括払いにしたときの1か月あたりの金額です。Envatoの円換算は1USD=150円で計算した概算のため、為替で変動します。商用利用はどちらのサービスも可能です。