ポッドキャストのBGMを商用利用できる条件は?音声だけの番組で変わる3つの線引き
ポッドキャストのBGM商用利用でつまずく人の多くは、動画の感覚をそのまま持ち込んでいます。音声だけの番組には、動画には無い3つの線引きがあります。
ロイヤリティフリーとは、使うたびに追加の使用料を払わなくてよい仕組みのことです。無料という意味ではなく、契約している間だけ使える条件が付くのが一般的です。
音声だけの番組はBGMが番組そのものの一部になる
動画なら、音を消しても映像が残ります。ところがポッドキャストはBGMを抜くと番組が成立しません。オープニングのジングル、コーナーの切り替え音、エンディングの余韻まで、音源が番組の骨組みそのものになっています。
そのため、あとから「この曲は使えなかった」と分かったときの差し替え作業が重くなります。動画クリエイターなら1本を編集し直せば済みますが、番組は同じ曲を全エピソードで使っているので、過去回すべてに影響します。最初の1曲を決める段階で商用利用の条件まで確認しておくのが早いです。
ポッドキャストのBGM商用利用は収益の有無だけで決まらない
「広告を入れていないから商用利用ではない」と考える人は多いのですが、これは危ない考え方です。商用利用にあたるかどうかは、収益が発生しているかだけでは決まりません。
企業の広報やマーケ担当が運営する採用番組は、直接の売上がなくても事業活動の一部です。個人のYouTuberやVTuberが自分の活動を広げるために出している番組も、宣伝という目的がある以上、無料素材サイトの規約では商用扱いになることがあります。「収益ゼロだから無料素材でいい」という判断は、規約の書き方によっては通りません。
判断に迷ったら、番組が何のために存在するかを一度書き出してみてください。趣味の記録なのか、仕事や活動につなげたいのかで、選ぶべき音源の安全度が変わります。
契約者の名義と番組の名義をそろえる
音源サブスクのライセンスは、契約したアカウントに紐づきます。ところが音声番組は、複数人で運営していることが珍しくありません。
パーソナリティが2人いる番組、編集だけ外部の映像編集者に頼んでいる番組、事務所が窓口になっている番組。こうしたケースでは、契約者と番組の名義がずれます。本人以外の利用を認めないプランでは、編集担当者が使うと規約違反です。
最初に決めておきたいのは、番組の権利を持つのは誰かという一点です。そこを決めてから、その名義でアカウントを契約すると後から揉めません。
番組に合う音源サブスクなら
RSS配信で増える配信先とポッドキャストのBGM商用利用ライセンスのズレ
ポッドキャストは、収録した音声を配信サイトに置き、そこから出るRSSを各サービスに登録して届けます。一度登録すれば、SpotifyやApple Podcast、Amazon Musicなどに自動で配信される仕組みです。この便利さが、ライセンスの条件とぶつかります。
ポッドキャストの配信先は自分で数えられない
動画クリエイターは、どこに投稿するかを自分で選びます。YouTubeに上げるなら投稿先は1つで、数えるのも簡単です。
ところが番組は違います。RSSを登録した先が配信先になり、しかも配信サービス側が新しい一覧に載せることもあります。気づいたら聴ける場所が5つ6つに増えていた、という状態は普通に起こります。配信先は公開後も増えていく前提で音源の条件を選ぶ必要があります。
自分の番組がいまどこで聴けるのかは、配信サイトの管理画面に一覧で表示されます。音源を契約する前に、まずその一覧を見ておくと判断しやすくなります。
「1チャンネル」の数え方がポッドキャストでは合わない
音源サブスクの多くは、収益化できる範囲をチャンネル数で案内しています。ここが音声番組と噛み合いません。
たとえばEpidemic Sound(エピデミックサウンド)は、Creatorプランで各プラットフォームにつき1チャンネル、上位のProプランで3チャンネルという数え方です。動画クリエイターには分かりやすい条件ですが、番組が5つの配信先に載っている場合、それを1番組と数えるのか5チャンネルと数えるのかは、案内の読み方によって変わります。
Artlist(アートリスト)は、申し立てを予防するClearlistという登録機能の中に、YouTubeやTikTokと並んでpodcastの枠を用意しています。番組を登録先として想定していることが表示から読み取れるので、音声配信をしている人には安心材料になります。表記が公式内で食い違うため、登録できる数は自分の画面で確認しましょう。
配信先が増えたときに確認すること
番組の配信先を増やす前のチェック
- 契約中のプランで、配信先が何箇所まで対象になっているか
- 番組単位で数えるのか、配信サービス単位で数えるのか
- あとから増やした配信先が、過去回までさかのぼって対象になるか
- 動画版(音声波形やカメラ映像)をYouTubeに出す予定があるか
特に見落としやすいのが、最後の動画版です。音声番組をYouTubeにも出すと、そこは動画プラットフォームとして別に数えられることがあります。音声配信とYouTubeの収益化を両方やるつもりなら、契約前に対象範囲を確かめておきましょう。
番組URLを登録して守るなら
毎回使うジングルとポッドキャストのBGM商用利用が切れるタイミング
ポッドキャストは、同じ曲を毎回流します。オープニングのジングル、コーナーの切り替え、エンディング。動画のように毎回違う曲を選ぶのではなく、番組の顔として1曲を長く使い続けるのが特徴です。この反復利用が、契約の期間と噛み合わなくなります。
反復して使うなら単品購入とサブスクで考え方が変わる
音源の買い方には、月額で使い放題になるサブスクと、1曲ずつ買う単品購入があります。番組のジングルのように何年も使う曲は、単品で買い切っておくほうが管理はシンプルです。
一方で、毎回の本編BGMや効果音は数が必要になるので、サブスクのほうが向いています。Audiostock(オーディオストック)のように、月額プランと単品購入の両方を日本語で扱えるサービスなら、ジングルだけ買い切り、本編はサブスクという使い分けもできます。番組の顔になる曲だけは、契約が切れても使える形で持っておくと安心です。
契約が切れたあとの新しい回で使えなくなる
音源サブスクの多くは、契約している間に公開したものはそのまま残せる条件になっています。この線引きは公開した日で判定されるのが一般的で、詳しい考え方は配信全般の記事にまとめています。
音声番組で問題になるのはその先です。番組は解約後も続きます。過去回はそのまま残せても、解約したあとに公開する新しい回には、同じジングルを使えなくなるのが一般的です。番組の顔になっている曲を途中で変えるのは、リスナーの体験としてもかなり大きな変更になります。
なおAudiostockは、契約中に実際に使った音源であれば解約後も使えるとしています。ただしダウンロードしただけで使っていない音源は対象外です。会社ごとに条件が違うので、他社の条件をそのまま当てはめないようにしてください。
番組名やロゴにジングルを紐づけるとき
ジングルが定着すると、番組のグッズやイベント、動画版のオープニングにも同じ曲を使いたくなります。ここで扱いが変わることがあります。
配信での利用は認められていても、物販やイベントでの利用は別の条件になっているサービスがあるためです。企業の広報担当が運営する番組で、展示会のブースでジングルを流すようなケースは特に確認が必要です。使い道が配信の外に出るときは、契約内容を読み直すタイミングだと考えてください。
30日間無料トライアルあり
スポンサー回や有料配信があるポッドキャストのBGM商用利用範囲
番組が育つと、スポンサーがついたり、有料会員向けの配信を始めたりします。このとき、それまでと同じ感覚でBGMを使い続けると条件から外れることがあります。
スポンサー読み上げや広告が入る回の扱い
企業から提供を受けて紹介する回は、はっきりと商業目的の配信です。個人の趣味番組として使っていた無料素材が、この時点で条件から外れることがあります。
さらに、あとから広告を差し込む仕組みを使う場合は注意が要ります。過去回に新しい広告が入る形になるため、公開日で線引きしている条件とどう噛み合うかが読みにくくなるためです。スポンサー案件を受ける前に、番組の音源を商用対応へ入れ替えましょう。
有料会員限定の配信は「販売物」に近づく
リスナーから月額を受け取って配信する形は、番組が販売物に近づきます。無料で聴ける番組より条件が厳しいサービスもあるため、有料配信を始めるタイミングで契約プランを見直しましょう。
Epidemic Soundのように、契約期間中に公開したものは解約後も権利がクリアされたまま残ると明記しているサービスは、有料配信の過去回を抱える番組と相性が良い条件です。解約後の扱いが公式に書かれていないサービスは判断材料が足りません。
企業が運営する番組で追加になる条件
法人名義の番組では、契約プランが個人向けのままだと対象外になることがあります。担当者が個人アカウントで契約して社の番組に使う形は、社内の監査でも指摘されやすいポイントです。
企業の広報やマーケ担当が採用番組やオウンドメディア番組を作るときは、法人向けプランの有無と、担当者が変わったときにアカウントを引き継げるかを確認しておくと安全です。番組は担当者より長く続きます。
解約後も番組を残したいなら
無料フリーのBGMをポッドキャストで商用利用するときの落とし穴
無料で公開されているフリーBGMにも、商用利用を認めているものはたくさんあります。ただし音声番組では、動画とは違う形で条件を満たしにくくなる場面があります。
音声だけの番組はクレジット表記の置き場に困る
無料素材でよくある条件が、作曲者名やサイト名の表示です。動画なら概要欄やエンドロールに書けますが、ポッドキャストには映像がありません。
書ける場所は、エピソードの説明文にあたるショーノートか、番組内での読み上げに限られます。ところがショーノートは配信先ごとに表示のされ方が違い、リンクがそのまま文字として出るサービスもあれば、長い説明文が途中で折りたたまれるサービスもあります。クレジット表記が必須の素材は、音声番組と相性が良くありません。
読み上げで対応する方法もありますが、毎回の冒頭で作曲者名を並べるのは、番組のテンポを確実に損ないます。
利用報告や条件の確認が必要なサイトがある
無料素材サイトの中には、利用前に報告フォームへの入力を求めるところや、商用利用のときだけ個別の問い合わせが必要なところがあります。1本の動画なら手間は一度きりですが、毎週配信する番組では回数が積み上がります。
さらに、作曲者ごとに条件が違うサイトもあります。同じサイトで見つけた2曲が、片方は商用利用可、片方は要問い合わせということが起こります。サイト単位で「ここは商用OK」と覚えてしまうと、曲ごとの条件を見落とします。
規約はあとから変わるのに番組は残り続ける
無料素材の規約は、運営の都合で変更されることがあります。動画クリエイターであれば古い作品を非公開にする選択もできますが、ポッドキャストは全エピソードが並んで残る形が基本です。
過去回を1本ずつ確認して差し替えるのは現実的ではありません。番組を長く続けるつもりなら、使った曲と回数を表計算ソフトに残しておくか、最初から条件が明文化された有料サービスに寄せるほうが、結果的に手間もリスクも小さくなります。
条件が明文化された音源なら
ポッドキャストのBGMを商用利用しやすいおすすめ音源サブスク3選
音声番組でBGMを商用利用するなら、確認したいのは配信先の数え方、解約後の扱い、そしてジングル向けの素材があるかの3点です。この観点で絞ると3社に落ち着きます。
Audiostock(オーディオストック):日本語で探せてジングルも単品で買える重要度:★★★★★
日本語のポッドキャストなら、まず候補に入るのが国産のAudiostockです。約49万曲の楽曲と約50万点の効果音を日本語で検索でき、番組の雰囲気に合う曲を言葉で探せます。ジングルに使える短い音も単品で買えるため、番組の顔になる曲だけ買い切っておく使い方ができます。
料金は動画配信者プランが年間一括払いで月858円から、複数の素材を幅広く使えるスタンダードプランが月2,365円です。動画配信者プランは音声のみの番組が対象に入るか申し込み前の確認が必要です。また、音楽そのものを主役にした配信には使えない条件があるため、楽曲紹介番組を作る場合は要注意です。
国内の音源サブスクなら
Epidemic Sound(エピデミックサウンド):解約後も過去回を残せる条件が明快重要度:★★★★☆
過去回を長く残す番組に向くのがEpidemic Soundです。契約期間中に公開したものは解約後も権利がクリアされたまま残ると公式に明記されており、何年も続く番組と条件が噛み合います。
料金はCreatorプランが年払いで月1,490円、Proプランが月2,490円です。30日間の無料トライアルがあるので、番組数回分を試してから決められます。楽曲は5.5万曲以上、効果音は25万点以上あり、ジングルの素材にも困りません。解約したあとも過去回を安心して残したい番組には、この条件が最も分かりやすいです。
配信収益化の定番
Artlist(アートリスト):podcastを登録先として想定している重要度:★★★★☆
動画版もセットで出す番組に向くのがArtlistです。申し立てを未然に防ぐClearlistという機能があり、登録できるプラットフォームの中にpodcastの枠が用意されています。音声番組を利用先として想定していることが、機能の側から読み取れます。
料金はMusic & SFXプランが月1,590円からです。Clearlistで守られるのは楽曲だけで効果音には不要な点、そして登録できる数の表記が料金ページとヘルプページで食い違っている点は覚えておいてください。登録できる数は必ず自分のアカウントのClearlist画面で確認しましょう。
動画版まで一括で守るなら
ポッドキャストに合うBGMとジングルの探し方
サービスを決めたら、次は探し方です。音声番組は映像で情報を足せないぶん、曲の役割がはっきり分かれます。
- オープニング…10〜20秒で終わる、印象に残る短い曲。カテゴリの「ジングル」「ロゴ」から探す
- トーク下のBGM…主張の強くない曲。声と音域がぶつからないものを試聴で選ぶ
- コーナー切り替え…効果音カテゴリの「トランジション」「スティンガー」が使いやすい
- エンディング…オープニングと同じ曲の別バージョンがあれば統一感が出る
検索するときは、曲名ではなく雰囲気の言葉で探すのがコツです。日本語で探せるサービスなら「落ち着いた」「軽快」といった言葉がそのまま使えます。一度決めたら曲名とダウンロード日を記録しておくと、あとで条件を確認したいときにすぐ追えます。
番組づくりを早く進めるなら
ポッドキャストのBGM商用利用のよくある質問
収益化していない個人のポッドキャストでもBGMの商用利用にあたりますか?
広告収入が無くても、番組が仕事や活動の宣伝につながっている場合は商用扱いになることがあります。無料素材サイトの規約は、収益の有無ではなく目的で線を引いていることが多いためです。趣味の記録以外の目的があるなら、商用利用に対応した音源を選ぶほうが安全です。
SpotifyとApple Podcastの両方で配信していると、ライセンスは2つ必要ですか?
数え方はサービスごとに異なります。プラットフォームごとに1チャンネルという条件のサービスでは、配信先が増えるほど確認が必要になります。RSSで自動的に配信先が増える仕組みである点を伝えたうえで、契約前にサポートへ確認するのが確実です。
解約したらこれまでのエピソードは削除しないといけませんか?
多くのサービスは、契約期間中に公開したものはそのまま残せる条件になっています。ただし解約後に新しく公開する回では同じ曲を使えなくなるのが一般的です。会社ごとに条件が違うので、番組を長く続ける予定なら解約後の扱いが明記されているサービスを選んでください。
オープニングのジングルを何百回も使うのは追加料金がかかりますか?
ロイヤリティフリーの音源であれば、使うたびに追加料金が発生することは基本的にありません。回数ではなく、契約している期間と用途の範囲で条件が決まります。番組の顔になる曲は、単品で買い切っておくと契約の状態に左右されにくくなります。
無料フリーBGMのクレジット表記は、ショーノートに書けば足りますか?
素材の規約が求める表示方法によります。表示場所を指定しているサイトもあり、ショーノートだけで足りるとは限りません。配信先によって説明文の見え方が違う点も含めて、規約の書き方を確認してください。表記が必須の素材は音声番組では扱いにくくなります。
ポッドキャストをYouTubeにも出す場合、音源の扱いは変わりますか?
動画プラットフォームとして別に数えられることがあります。またYouTubeでは自動照合の仕組みが働くため、申し立てを予防する登録機能があるサービスだと安心です。音声配信とYouTubeの両方を予定しているなら、契約前に対象範囲を確認しておきましょう。
複数人で運営している番組は、誰の名義で契約すればよいですか?
番組の権利を持つ人、または法人の名義でそろえるのが基本です。契約者本人以外の利用を認めていないプランもあり、編集担当者が別アカウントで使うと規約違反になります。担当者が交代しても引き継げるよう、番組名義での契約を検討してください。
ポッドキャストのBGM商用利用のまとめ
ポッドキャストのBGM商用利用は、動画とは違う3つのポイントで判断できます。音声だけの番組ではBGMが番組の骨組みになること、RSS配信で聴ける場所が自動的に増えていくこと、そして同じジングルを何年も使い続けることです。
配信先の数え方は必ず契約前に確認しましょう。動画版をYouTubeに出すなら、そこも別に数えられる可能性があります。解約したあとの扱いも重要です。過去回はそのまま残せても、新しい回では使えなくなるのが一般的なので、番組を長く続けるなら条件が明記されたサービスを選んでください。
日本語で探しながらジングルを買い切りたい番組はAudiostock、過去回を長く残す番組はEpidemic Sound、動画版もセットで守りたい番組はArtlistが向いています。無料素材は使えないわけではありませんが、クレジット表記の置き場がない音声番組では条件を満たしにくくなります。番組は公開したあとも残り続けるので、最初の1曲を決める段階で条件を確認しておくのが、いちばん手間の少ない進め方です。
安心して番組を続けるなら