BGMのクレジット表記が必要かどうかは音源の種類で決まる
BGMのクレジット表記が必要かどうかは、曲そのものの性質ではなく、その曲を配っている側が決めたルールで決まります。同じような雰囲気の曲でも、無料配布サイトで見つけた曲と有料サービスで契約した曲では条件がまったく違います。
まずは音源を3つに分けて考えると、判断の道すじがはっきりします。
音源の種類別に見るクレジット表記の要否
| 音源の種類 |
クレジット表記 |
条件が書かれている場所 |
| 無料BGM配布サイト |
必要なことが多い |
サイトの利用規約・利用条件ページ |
| クリエイティブ・コモンズの曲 |
BY表示付きは必須 |
ライセンスの種類そのもの |
| 有料の音源サブスク |
不要が主流 |
契約時の利用規約・ライセンス条項 |
※2026年8月時点の一般的な傾向です。個別の条件は必ず各サービスの規約を確認してください。
BGMのクレジット表記を決めているのは法律ではなく規約
日本の著作権法には「BGMを使ったら作者名を書きなさい」という条文はありません。表示するかどうかを決めているのは、その曲を配布している側が定めた利用規約です。
クレジット表記とは、使った曲の名前や制作者名を動画の概要欄などに書いて、誰の作品かを示すことです。著作者名を表示する権利を尊重する行為でもあり、規約で条件として定められることがあります。
つまり同じ曲であっても、配布元が変われば条件も変わります。表記の要否は音源ごとに確認するのが確実です。
無料BGM配布サイトの中には、個人利用は表記不要、商用利用は表記必須と分けているところもあります。無料だから自由に使えるという意味ではありません。
無料のBGMほどクレジット表記が条件になりやすい
無料でBGMを配っている制作者にとって、お金以外の見返りは名前が広まることです。動画の概要欄に名前とサイト名が載れば、そこから新しい利用者が訪れます。
表記を条件にするのは、無償提供とのバランスを取るための仕組みです。制作者を応援する気持ちで書いてほしいと明記しているサイトも少なくありません。
一方で、条件は作曲者ごとに違う場合があります。同じサイトで見つけた2曲でも、片方は表記不要、もう片方は表記必須ということが起こります。サイト単位で覚えてしまうと、曲ごとの条件を見落とします。
有料の音源サブスクでBGMのクレジット表記が不要な理由
有料の音源サブスクは、毎月の料金が制作者への対価になっています。名前を広めてもらう必要がないため、表記を条件にしないサービスが主流です。
毎週動画を出すYouTuberや、案件を並行して抱える映像編集者にとって、この差は積み上がります。1本あたり数分の作業でも、年間で数十本になれば無視できません。
ただし「有料だから必ず不要」と決めつけるのは危険です。規約に表記不要と書かれているかどうかを、契約前に自分の目で確かめてください。
探す場所は、利用規約の中の「ライセンス」「使用条件」にあたる項目です。英語のサービスなら credit や attribution という単語をページ内検索すると早く見つかります。該当箇所が見当たらない場合は、規約が不要と言っているのではなく、まだ確認できていないだけだと考えてください。
音源選びから見直すなら
BGMのクレジット表記のやり方と書き方の例

画像はクリエイティブ・コモンズが公開しているCC BY 4.0のコモンズ証で、中ほどの「あなたの従うべき条件」に表示の義務が書かれています。クレジット表記に決まった書式はありません。ただし、配布元が求めている情報は共通しています。必要な要素を落とさずに書けば、たいていの条件は満たせます。
BGMのクレジット表記に入れる4つの要素
表記に入れる情報は次の4つです。
クレジット表記に入れる情報
- 曲名(原題のまま書く)
- 制作者名またはアーティスト名
- 配布元のサイト名かURL
- ライセンスの名前(指定がある場合)
曲名と制作者名は最低限どちらも書きます。この2つが抜けると、視聴者が原曲にたどり着けません。
省略した要素があると条件を満たしません。「サイト名だけ書けばいい」と思い込んで制作者名を落とすのが、もっとも多い抜けです。
そのまま使えるBGMのクレジット表記の例文
配布元のタイプ別に、そのまま書き写せる形をまとめました。
日本語の無料配布サイトの場合
BGM:曲名 / 制作者名(配布元サイト名)
例)BGM:朝のはじまり / 音野太郎(サンプル音楽素材)
クリエイティブ・コモンズ(CC BY)の場合
“曲名” by アーティスト名 is licensed under CC BY 4.0
クレジットに加えて、ライセンス条文へのリンクを示すことと、曲に変更を加えた場合はその旨を書くことも条件に含まれます。
海外の素材サイトの場合
Music by アーティスト名 from サイト名
サイト側が推奨文を用意していれば、その文をそのままコピーします。
書く順番は、曲名を先に置くか制作者名を先に置くかで迷いがちです。指定がなければどちらでも問題ありません。1本の動画の中では形をそろえてください。
英語の音源サイトのBGMクレジット表記を日本語で書くとき
海外サービスの曲を使うとき、アーティスト名を日本語に訳す必要はありません。表記の目的は原曲を特定できるようにすることなので、原語のまま書くほうが正確です。
日本語の視聴者向けに補足を足したい場合は、原語の表記を残したうえで「(BGM提供:サイト名)」のように日本語を添えます。原語を消して意訳だけにすると、条件を満たさなくなる可能性があります。
複数の曲を使った動画では、曲ごとに1行ずつ並べます。まとめて「BGM:サイト名より」とだけ書く形は、曲名と制作者名が特定できないため避けてください。
指定フォーマットがあるBGMは一字一句そろえる
配布元が推奨文を用意している場合は、そこに書かれた文をそのままコピーするのが安全です。語順を入れ替えたり、URLを短縮サービスに置き換えたりすると、条件を満たさない扱いになることがあります。
企業の広報担当が社内で動画を量産する場面では、この推奨文をテンプレート化しておくと確実です。使用した曲名と制作者名を一覧で残しておけば、担当が交代しても引き継げます。
意外と多いのが、編集の途中でBGMを差し替えたのに表記だけ古い曲のまま残るケースです。書き出し前に、動画で実際に鳴っている曲と概要欄の記載が一致しているかを確認してください。差し替えの多い長尺動画ほど起きやすいミスです。
表記の手間を減らすなら
BGMのクレジット表記が必要なときに書く場所
書く場所についても、配布元が指定していればその指示が最優先です。指定がない場合は、視聴者が確実に見つけられる場所を選びます。
YouTubeのBGMクレジット表記は概要欄が基本
YouTubeで最も一般的なのは、動画の概要欄に書く方法です。文字数の制限がゆるく、URLもそのまま貼れます。
注意したいのは、概要欄が途中で折りたたまれる点です。冒頭の数行しか最初は表示されないため、クレジットは「もっと見る」を開いた先に置く形になります。それでも条件としては満たせるのが一般的です。ただし配布元が動画内に表示するよう指定している場合は、概要欄だけでは足りません。
動画内のテロップやエンドロールは、概要欄の補助として使います。両方に書いておけば、概要欄を読まない視聴者にも伝わります。
媒体ごとにBGMのクレジット表記を書ける場所が変わる
ショート動画は説明欄が短く、音声番組には映像そのものがありません。ライブ配信では表示できる時間も限られます。媒体ごとの置き場所は、それぞれの記事で詳しく扱っています。
映像編集を仕事にしている人は、もう一段ややこしい問題を抱えます。納品先のチャンネルの概要欄は自分では編集できないため、誰が書くかを事前に決める必要があります。
BGMのクレジット表記は視聴者がたどれる場所に置く
媒体が違っても共通しているのは、視聴者が原曲にたどり着ける場所であることです。視聴者がたどれる場所に書くのが原則です。
プロフィール欄や固定コメントにまとめて書く方法は、一見ラクに見えます。しかし動画1本ごとの対応関係が分からないため、条件を満たさないと判断される場合があります。
判断に迷ったときは、動画そのものに紐づく場所を選んでください。概要欄、キャプション、ショーノートなど、その1本と一緒に表示される場所が安全です。
置き場所に悩まない音源へ
BGMのクレジット表記が必要なのに書かなかった場合
クレジット表記は「書いたほうが親切」という程度の話ではありません。条件として定められている場合、書かないことは規約違反にあたります。
BGMのクレジット表記を省くと利用の許可そのものが消える
表記を条件にした利用許可は、条件を満たしてはじめて有効になります。条件を満たさなければ、その曲を使う許可を得ていない状態と同じです。
表記を怠ると利用の許可そのものが消えます。「無料の曲だから軽い違反」ではなく、無許可で他人の曲を使っている扱いになります。
クリエイティブ・コモンズのCC BYはこの考え方が明確です。表示することがライセンスの条件なので、表示しなければライセンス自体が成立しません。
BGMのクレジット表記漏れは動画の削除や収益化の停止につながる
制作者や配布元から連絡が来て、修正で済むケースもあります。しかし相手が権利侵害として申し立てを行えば、話は大きくなります。
動画が削除され収益化も止まることがあります。長く育てたチャンネルほど、失うものは大きくなります。
さらに厄介なのは、過去の動画にさかのぼって問題になる点です。投稿本数が増えるほど、どの動画にどの曲を使ったかをたどり直す作業が現実的でなくなります。
使った曲名・制作者名・配布元・使用した動画を表計算ソフトに残しておくと、規約変更や指摘があったときに確認できます。VTuberのように投稿頻度が高い人ほど効果があります。
BGMのクレジット表記は後から追記すれば済むのか
概要欄は後からでも編集できるため、気づいた時点で追記するのは有効です。実際、多くの制作者は追記に応じてくれます。
ただし、動画内に焼き込むよう指定されていた場合は、動画の再アップロードが必要になります。再アップロードすれば再生数もコメントもゼロからやり直しです。
企業の広報担当が制作会社に発注した動画では、修正に見積もりと日程が発生します。事前確認の手間とは比べものになりません。
直す順番に迷ったら、再生数の多い動画と、収益化している動画から手をつけてください。指摘が入ったときの影響がもっとも大きいのはこの2つです。すべてを一度に直せなくても、影響の大きいものから片づければリスクは確実に下がります。
収益を守れる音源を選ぶなら
BGMのクレジット表記が不要でも書いたほうがいい理由
それでも書く価値はあるのじゃ!理由が3つあるぞよ。
有料サービスを使っていて表記が不要な場合でも、あえて書いている制作者は少なくありません。義務とは別のメリットがあるためです。
BGMのクレジット表記は制作者を応援する意思表示になる
曲を作った人にとって、自分の名前が動画に載ることは励みになります。表記から新しい聴き手が生まれることもあります。
音楽で食べていく人が増えれば、使える曲の選択肢も増えます。長く動画を作り続けるつもりなら、回り回って自分に返ってくる投資です。
表記が不要でも書いて損することはありません。数行の追記で済む一方、得られるものは小さくありません。
視聴者の「このBGMは何?」という質問に答えられる
動画に使ったBGMを視聴者から聞かれることは珍しくありません。コメント欄で毎回答えるより、最初から概要欄に書いておくほうが早く済みます。
同じ曲を使っている配信者どうしのつながりが生まれることもあります。VTuberやゲーム実況者のように視聴者との距離が近いジャンルほど、この効果は出やすくなります。
自分の記録としても役立ちます。半年前の動画で使った曲をもう一度使いたいとき、概要欄を見れば分かります。
BGMのクレジット表記の書き方が制限される場合もある
書けば必ず喜ばれるわけではない点にも触れておきます。サービスによっては、表記の形式を細かく決めていることがあります。
表記の形式を指定しているサービスもあります。ロゴの使用や、サービス名の書き方に条件が付く場合です。
まれに、サービス名を出さないよう求めるケースもあります。書くと決めたら、そのサービスの規約に表記に関する条項がないかを一度確認してください。
安心して使えるBGMなら
クレジット表記が不要なBGMを選ぶときの確認ポイント
表記の手間を根本からなくすなら、条件が明文化された有料サービスに寄せる方法があります。ここでは表記の要否という観点だけに絞って、確認すべき点を挙げます。
この記事で見ている確認ポイントは次の3つです。
- 規約にクレジット表記の要否が明記されているか
- 解約したあと、公開済みの動画がどうなるか
- 規約を自分が読める言語で確認できるか
規約にクレジット表記が不要と明記されているか重要度:★★★★★
もっとも重要なのは、規約に表記の扱いが書かれているかどうかです。書かれていなければ、必要か不要かを自分で判断できません。
表記不要と規約に明記された音源が安全です。曖昧な表現しかないサービスは、後から解釈が変わる余地を残しています。
規約に見当たらない場合は、ヘルプページやよくある質問に記載があることもあります。それでも見つからなければ、問い合わせて回答を残しておくのが確実です。
解約後に公開済みの動画がどうなるか重要度:★★★★☆
見落としやすいのが、契約を終えたあとの扱いです。契約中に公開した動画をそのまま残せるかどうかは、サービスごとに考え方が違います。
解約後の扱いは規約ごとに大きく違います。動画を残せる条件が付く場合もあります。
過去の動画を非公開にできない企業アカウントや、アーカイブを資産として残す配信者にとっては、料金より優先度が高い項目です。
規約を日本語で読めるか重要度:★★★★☆
海外サービスの規約は英語で書かれていることがほとんどです。翻訳を通せば読めますが、条件の細かいニュアンスは訳しきれません。
社内の法務確認や上長への説明が必要な場面では、日本語で読めるかどうかが実務的な差になります。国内サービスなら、この工程がまるごと省けます。
音源サブスク3社の比較(表記の確認しやすさで見る)
| サービス |
最安の月額 |
規約を読める言語 |
楽曲数 |
| Audiostock(オーディオストック) |
858円〜/月 |
日本語 |
490,000曲 |
| Epidemic Sound(エピデミックサウンド) |
1,490円〜/月 |
英語中心 |
55,000曲以上 |
| Artlist(アートリスト) |
1,590円〜/月 |
英語中心 |
約30,000曲 |
※2026年8月時点の年間一括払い時の価格です。Audiostockの858円は動画配信者プラン(本人のみ利用可)の金額です。
規約を日本語で確認したい個人YouTuberや企業の広報担当なら、国内サービスから試すのが失敗しにくい選び方です。
有料サービスに切り替えたあとも、無料素材を併用するなら曲ごとの管理は残ります。表記が必要な曲と不要な曲が1本の動画に混ざると、確認の手間はかえって増えます。切り替えるなら、その動画で使う曲を1つの供給元にそろえるほうが運用は続きます。
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BGMのクレジット表記のよくある質問
BGMのクレジット表記は法律で義務づけられていますか?
日本の著作権法に、BGMを使ったら必ず作者名を書くという条文はありません。表記が必要かどうかを決めているのは、その曲を配布している側の利用規約です。ただし規約で条件になっている場合、書かなければ規約違反になります。
クレジット表記に書く順番は決まっていますか?
配布元の指定がなければ、曲名と制作者名のどちらを先に置いても問題ありません。1本の動画の中で形をそろえることのほうが大切です。推奨文が用意されているサービスでは、その文をそのままコピーしてください。
複数の曲を使った動画では、まとめて書いてもいいですか?
曲ごとに1行ずつ並べるのが基本です。「BGM:サイト名より」とまとめて書く形は、どの曲を使ったかを特定できないため条件を満たさない可能性があります。使用した順に並べておくと、後から確認するときにも役立ちます。
プロフィール欄にまとめて書く方法でも大丈夫ですか?
動画1本ごとの対応関係が分からないため、条件を満たさないと判断される場合があります。概要欄やキャプションなど、その動画と一緒に表示される場所に書くほうが安全です。配布元が置き場所を指定している場合はその指示に従ってください。
クレジット表記を忘れて公開してしまいました。どうすればいいですか?
気づいた時点で概要欄に追記してください。多くの制作者は追記で対応してくれます。ただし動画内に表示するよう指定されていた場合は、再アップロードが必要になることがあります。編集できる場所であれば、放置せず早めに直すのが得策です。
有料の音源サブスクなら必ずクレジット表記は不要ですか?
表記不要とするサービスが主流ですが、すべてがそうだと決めつけるのは危険です。契約前に規約やヘルプで表記の扱いを確認してください。記載が見つからない場合は問い合わせて、回答を記録として残しておくと安心です。
クレジット表記が不要でも書いてよいのでしょうか?
基本的には問題なく、制作者への応援にもなります。ただしサービスによっては、名前やロゴの書き方に条件を設けていることがあります。まれにサービス名を出さないよう求めるケースもあるため、規約に表記に関する条項がないかを確認してから書いてください。
BGMのクレジット表記が必要かどうかのまとめ
BGMのクレジット表記が必要かどうかは、曲そのものではなく配布元の規約で決まります。無料配布サイトの曲やクリエイティブ・コモンズのCC BY表示付きの曲は表記が条件になりやすく、有料の音源サブスクは不要とするサービスが主流です。
表記に入れる情報は、曲名・制作者名・配布元・ライセンス名の4つです。推奨文が用意されていればそのまま書き写し、書く場所は視聴者が原曲にたどり着ける場所を選びます。
条件を満たさないまま公開すると、利用の許可そのものが成立していない状態になります。動画の削除や収益化の停止につながるため、公開前に一度確認する習慣をつけてください。
表記の手間を根本からなくしたいなら、規約に扱いが明記された有料サービスに寄せる方法があります。解約後の扱いと、規約を読める言語まで含めて選べば、動画を作り続けるあいだ悩まずに済みます。
表記の心配がない音源へ